東日本大震災の教訓として、女性防災リーダーがいなかったことにより、避難所生活や復旧・復興において、女性たちや多様な人々の困難事項が増幅した。具体的には以下の5つが挙げられます。
- 避難所の環境改善において女性の声が届かない。
- 避難所の物資面での女性のニーズに応えられない。
- 性被害や性暴力が増大した。
- 性別役割分担意識が強化された。
- 一部の男性に過度な負担がかかった。
また、女性(生活者)の視点の欠如により、衣食住においての整備がなされず、健康面にも多大な影響を与え、震災関連死にもつながった。
国連防災世界会議でも確認されたように、日常にあるジェンダーの不平等を放置することは、社会を災害に対して脆弱にする大きな要因となる。また、人口減少により、防災の担い手が不足しており、男女共同参画の視点を取り入れた防災対策・地域づくりが急務である。
そのような課題解決に向けて、地域防災・復興のばで女性(生活者)の視点を生かし、女性たちが主体的に関わる事ができる女性リーダーの育成を目指す。
私たちの想い
1995年、阪神・淡路大震災では、地域に女性リーダーがいなかったことにより、多くの女性たちが困難に陥りました。そして、2011年の東日本大震災ではその教訓を生かすことなく、さらに多くの女性、また多様な人々の困難が増幅しました。
私たちはジェンダーの視点を取り入れた防災対策、地域づくりが急務であると考え、課題解決に向け、地域住民が主体的に関わることができる地域防災力の向上を目指しています。
このような困難が起きないためには、ジェンダー視点を取り入れた災害対応力が必要です。
2023年4月から「女性防災リーダー育成プログラム」を開催します。2023年は青森市会場、2024年は八戸市会場で実施します。
当社団が実施する研修会は、「学び」、「考える」、「実践」、「振返り」というプロセスを大切にしております。今回は、防災 ・ 減災の基礎知識、被災地視察、避難所運営訓練の実践、チャレンジアップ講座など、受講生が地域で防災・減災に向けて実践できる力を身につけます。
過去の災害の教訓として、防災に女性の参画の必要性が問われています。
避難所運営や復旧、復興のプロセスの中に女性の参画があれば、多様な人々への配慮やニーズに気づき、災害関連死を防ぐことができたと考えられます。
声をあげ実践できる女性防災リーダーをめざし学び合います。
そして、誰一人取り残さない社会の実現を目指します。
2022年12月
一般社団法人男女共同参画地域みらいねっと
代表理事
小山内世喜子
中長期アウトカム
- ジェンダー平等の意識が高まり、互いを尊重し認め合える地域となる。
- 地域の組織において女性リーダーの割合が3割以上になる。
- 論理的に発言し行動できる女性リーダーと多様な人たちの意見に耳を傾けることができるリーダーが当たり前になる。
研修プログラム
- 開校式、オリエンテーション、自己紹介
- 基調講演
- 振り返りとチャレンジの共有
- 「ジェンダーと防災」基礎知識
- 災害時に必要なネットワーク
- ワークショップ「マイタイムライン」
- 多様性位に配慮した避難所運営訓練について学び、企画・運営
- 話しあう力
- 避難所運営訓練
- 宮城県(石巻市、南三陸町)
- 南三陸ホテル観洋(宿泊)
- 震災遺構の見学、語り部バス
- 女性避難所運営リーダー経験者の講和
- 女性リーダーとの交流
- 「学び」を「かたち」に~私のチャレンジ
(受講生同士の情報交換、これからの活動に向けてのキャリアデザインを立てる) - 特別企画「防災カフェ」の開催
受講生同士の語り合いおよび地域住民との交流の場づくり
- 共催事業として県内2箇所で受講生による実践事業
- 当社団主催の「若年層への避難所運営訓練」へのサポーターとしての参加